ふるさと納税はすまい給付金や高校の授業料軽減にも有利に!? ふるさと納税はすまい給付金や高校の授業料軽減にも有利に!?
ふるさと納税は所得税・住民税を下げることや、あるいは返礼品に注目が集まりがちですが、あまり注目されていない有効策が社会保障制度に関する影響です。
住民税額が高いと不利になる社会保障制度において、ふるさと納税で住民税額を引き下げることで有利になるものがあります。
すまい給付金でふるさと納税が有利に
消費税5%から8%への増税により、住宅では消費税の上乗せが大きくなっています。
そこで一定の要件を満たした住宅購入者はすまい給付金がもらえますが、基準となるのが都道府県民税(住民税のうち10分の4)の所得割額(課税所得に応じてかかる額)です。
所得に応じてもらえる金額が
所得割額68,900円以下:30万円
68,900円超~83,900円:20万円
83,900円超~93,800円:10万円
と分かれ、まったくもらえない場合もあります。
ふるさと納税を行えば住民税額は下がりますから、すまい給付金をもらうのに有利になるわけです。
高等学校等就学支援金でふるさと納税が有利に
高等学校等就学支援金は、いわゆる高校授業料無償化のための国からの支援金で、お金がもらえるというより支払を減らすためのものです。
こちらは、市町村民税(住民税のうち10分の6)の所得割額が基準となります。
所得割額に応じて負担額が段階的に変わります。
所得割額51,300円・154,500円・304,200円を境に負担額が変わっていき、304,200円を超えると何の軽減も受けられなくなります。
なお国のほうで私立高校の教育無償化を進めようとしていますが、私立に関しては従来国の制度だけでは不十分なため、自治体でも独自に無償化制度を設けています。
大阪府は私立高校無償化では有名な自治体ですが、実はふるさと納税による授業料軽減を疑問視しています。
2017年現在ではふるさと納税が高校授業料軽減に役立ちますが、将来は見直しがされる可能性もあります。
幼児教育の教育費はふるさと納税で有利にならない
幼児教育の無償化についても国のほうで制度化を進めようとしていますが、こちらも所得に応じた負担軽減の制度(例えば私立幼稚園に関しては、私立幼稚園就園奨励費補助金)があります。
こちらも市町村民税の所得割額が基準ですが、高校授業料の制度と異なるのは、寄付金税額控除(ふるさと納税が含まれます)や住宅ローン控除などの税額控除を差し引く前の基準という点です。
微妙に違う基準のおかげで、ふるさと納税を行っても影響がありません。
また認可保育園に関しては、支払う保育料が市町村民税の所得割額に基づいて段階的に設定されますが、こちらも税額控除を差し引く前の基準になり、ふるさと納税が影響しません。
幼稚園・保育園の教育費を下げたい方は、ふるさと納税が無関係な点に注意が必要です。
その他社会保障制度におけるふるさと納税や医療費控除の影響
社会保障制度において、ふるさと納税によって有利になる制度は、実は少数です。
例えば子育て関係で柱となる児童手当は、住民税の額が基準ではなく、10種類の所得合計である総所得金額等から一部の所得控除を差し引いたものになります。
この一部の所得控除には、ふるさと納税などの寄付金控除は残念ながら含まれません。
ただし医療費控除については含まれ、児童手当以外の多くの給付金制度でも考慮されます。
この意味では医療費控除は控除額が0円でない限り、還付金が出なくても申告する価値はありますが、ふるさと納税の影響は上記で紹介した給付金や軽減制度に限定されます。
ただふるさと納税で有利にならないように法改正する動きが出ることも考えられますので、有効なうちに活用しておくとよいです。
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