新型医療費控除「セルフメディケーション税制」とは?   新型医療費控除「セルフメディケーション税制」とは?

スポンサード リンク

医療費控除の改正により、2017年(平成29年)分より、セルフメディケーション税制を活用できます。

スイッチOTC医薬品控除という言葉も使われますが、従来の医療費控除とはどういった点が異なるのでしょうか?

セルフメディケーション税制の趣旨

スイッチOTC医薬品とは、医療用の医薬品から転じた市販薬を意味しています。

医療用医薬品は健康保険適用され、患者にとっては自己負担が1~3割に下がる点はありがたいのですが、国としてはなるべく市販薬を使ってもらったほうが助かります。

高齢化が進んで、国民医療費が増える一方で医療を支える健康保険料が十分とは言えず、健康保険の財政状況は厳しくなっているからです。

このため、従来のような治療費を多く使うと税金が下がるタイプとは違う医療費控除(スイッチOTC医薬品控除)を新設しました。

なお、自ら健康増進や病気予防を積極的に取り組んでいるうえで市販薬を買った場合に活用できるという条件付きなので、「セルフメディケーション税制」と呼ばれます。

どんな市販薬がセルフメディケーション税制の対象となる?

対象市販薬は、厚生労働省サイトのリストで列挙されており、該当するものを選んで購入すればいいわけです。

この中には「ガスター10」「ストナリニ Z」「ダマリンS」など、CMに出てくるような有名な医薬品も列挙されています。

ただこのようなリストを持ってドラッグストアに買いに行くことも少ないので、店頭では対象医薬品に「セルフメディケーション税控除対象」というマークをつけているお店もあります。

適用要件になる健康増進への取り組み

健康増進・病気予防に取り組んでいることを前提にしているからには、確定申告の際にはそれを示さないといけませんが、証拠書類の添付が求められています。

セルフメディケーション税制に対応した医療費控除の明細書は、2017年9月には公表されていますが、明細書の説明書きや国税庁サイトには必要な書類が列挙されています。

 

 この一定の取組を行ったことを明らかにする書類は、取組の種類に応じて、具体的に次の書類が該当します。

(1) インフルエンザの予防接種又は定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)の領収証又は予防接種済証

(2) 市区町村のがん検診の領収証又は結果通知表

(3) 職場で受けた定期健康診断の結果通知表
(注) 結果通知表に「定期健康診断」という名称又は「勤務先名称」の記載が必要です。

(4) 特定健康診査の領収証又は結果通知表
(注) 領収証や結果通知表に「特定健康診査」という名称又は「保険者名」の記載が必要です。

(5) 人間ドックやがん検診を始めとする各種健診(検診)の領収証又は結果通知表
(注) 領収証や結果通知表に「勤務先名称」又は「保険者名」の記載が必要です。

(3)から(5)について上記の記載のある領収証や結果通知表を用意できない方は、勤務先又は保険者に一定の取組を行ったことの証明を依頼し、証明書の交付を受け、その証明書を確定申告書に添付するか、又は確定申告書の提出の際に提示する必要があります。

引用元:国税庁タックスアンサー No.1134 取組を行ったことを明らかにする書類の具体例

 

大きく分ければ、健康診断・検診結果の通知にあたるものか、インフルエンザなどの予防接種での領収書にあたるものに分かれます。

また検診・予防接種を受けた人や、健保組合等の保険加入先もしくは医療機関・検査機関がわかるものでないといけません。

 

セルフメディケーション税制の医療費控除額 計算方法

セルフメディケーション税制による医療費控除額は、スイッチOTC医薬品購入額 - 12,000円と計算します。

ただし、控除額上限は88,000円のため、購入額で10万円を超えた分は一切控除の対象にならなくなります。

また購入額が12,000円を下回った場合は、この税制による節税の恩恵は一切ありません。

例えば2017年の年間購入額が92,000円の場合は、控除額が80,000円となります。

そして所得税率が5.105%、住民税率10%であれば、約12,000円分の節税になります。

従来型の医療費控除額は、医療費の額―10万円(※)であり、※の10万円は各種所得の合計額(総所得金額等)が200万円を下回ると、総所得金額等×5%に下がります。

従来型に比べると、万単位の少額でも活用できる税制と言えます。

なお、セルフメディケーション税制と従来型のどちらか一方しか活用できない点に気をつけてください。

市販薬を購入した際の領収書の添付は必要か?

医療費控除は領収書の提出が必要でしたが、従来型も含めて2017年(平成29年)分からは提出義務が無くなり、代わりに提出期限から5年間の保管義務が発生します。

セルフメディケーション税制の場合、明細書の「医薬品の名称」欄に「ガスター10」「ストナリニ Z」「ダマリンS」などの薬品名をリスト・領収書どおり正確に書かないと、税務署に対象医薬品を本当に買っているのか疑われるので気をつけてください。

必ずしも領収書でないといけないわけではなく、レシートでも領収書と同様に扱えますので、購入物の内容や金額が正確にわかるレシートでの保管をオススメします!

セルフメディケーション税制のポイント

  • 対象の市販薬はリストで確認できる
  • 適用要件になる健康増進への取り組みと明細書の書き方を国税庁のサイトで調べおく
  • 医療費控除は、スイッチOTC医薬品購入額-12,000円(上限あり)
  • 領収書・レシートは添付義務はないが5年間保管する必要あり

スポンサーリンク

お気軽にコメントください!Q&Aコーナーにて引用・返信させていただきます。

サブコンテンツ

このページの先頭へ